Webサイト公開後のアクセス解析とPDCAで改善を続ける方法
Webサイトを公開したけれどアクセス数が伸びない。どの指標を見ればいいのか分からない。改善施策を打っても効果が実感できない。こうした悩みは、公開後のアクセス解析と改善のサイクルが回っていないことが原因になりがちです。
サイトは公開した瞬間が完成ではなく、そこがスタートラインです。作って終わりにせず、サイトを資産として育てていくには、データを見て仮説を立て、施策を実行し、結果を評価して次の改善につなげるPDCAを回すことが欠かせません。このサイクルが回り始めると、サイトは単なる会社案内から、成果を生むマーケティングツールへと変わっていきます。
Google Analyticsの基本設定
アクセス解析を始めるには、まず分析ツールを正しく設定する必要があります。2023年7月にUniversal Analytics(UA)のサポートが終了したため、新規導入する場合はGoogle Analytics 4(GA4)を選びます。トラッキングコードを全ページに設置しないと、正確なデータが取れません。SPAや動的コンテンツが多いサイトでは、追加設定が必要な場合があります。
見落としがちなのが、この設定は公開後ではなく公開前に済ませておくべきという点です。公開初日からデータが取れていないと、後で「リニューアル前と比べてどう変わったか」を検証できません。制作段階のうちに解析ツールの設置を依頼し、公開と同時に計測が始まる状態にしておきましょう。
Google Analytics 4の導入
GA4の導入は、次の手順で行います。
- GoogleアカウントでGoogle Analyticsにアクセス
- プロパティの作成(Webサイト用)
- データストリームの設定
- トラッキングコードの実装
- 目標設定とイベント設定
重要な初期設定項目
GA4導入後は、ビジネス目標に合わせて次の項目を設定します。
- データ保持期間の設定
- ユーザーデータの保持期間を設定する。デフォルトは14ヶ月だが、ビジネス特性に応じて調整する
- カスタムディメンションの設定
- ビジネス固有の分析軸を設定する。例として商品カテゴリ、顧客セグメント、キャンペーン種別など
- コンバージョンイベントの設定
- ビジネス目標に直結するアクションをコンバージョンとして設定する。問い合わせ完了、商品購入、資料ダウンロードなど
- オーディエンスの設定
- 特定の条件を満たすユーザーをグループ化し、詳細な分析やターゲティングに使う
これらの設定をしておくと、必要なデータを集めやすくなり、意味のある分析ができるようになります。
その他の分析ツールとの連携
GA4に加え、次のツールと連携すると分析の幅が広がります。
- Google Search Console(検索パフォーマンスの分析)
- Google Tag Manager(タグ管理の効率化)
- ヒートマップツール(ユーザー行動の可視化)
- A/Bテストツール(改善施策の効果検証)
とくにGA4とSearch Consoleは、役割が補完関係にあります。GA4は「サイトに来た後」のユーザー行動を、Search Consoleは「サイトに来る前」の検索での見え方を教えてくれます。両方を連携させると、どんなキーワードで来た人が、どのページで離脱しているのかまで追えるようになり、SEO改善の精度が上がります。
見るべき主要な指標
すべての指標を追うのではなく、ビジネス目標に直結する指標に絞ると、改善活動が効率化します。どの指標を主役に置くかは、そもそもサイトのKPIをどう設定したかで決まります。目標が問い合わせ獲得なら追うべきはコンバージョン数であり、アクセス数の増減に一喜一憂しても意味がありません。解析を始める前に、自社が本当に見るべき数字を定めておきましょう。
トラフィック関連の指標
サイトへの流入状況を把握するための基本指標です。
- セッション数
- ユーザーがWebサイトを訪問した回数。同じユーザーが複数回訪問した場合も、それぞれカウントされる
- ユーザー数
- Webサイトを訪問したユニークなユーザーの数。重複を除いた実際の訪問者数を示す
- ページビュー数
- サイト内のページが表示された総数。1回のセッションで複数ページを見た場合も、それぞれカウントされる
- 平均セッション時間
- 1回のセッションあたりの平均滞在時間。ユーザーの関心度を測る指標になる
単独で見るのではなく、時系列の変化や他指標との組み合わせで分析すると、課題が見えやすくなります。
エンゲージメント指標
ユーザーがサイトとどう関わっているかを示す指標です。直帰率が高いと、ランディングページの内容がユーザーの期待と合っていない可能性があります。ページ/セッションが多く、平均滞在時間が長いと、ユーザーがサイト内を探索していると判断できます。ただし直帰率は、解釈に注意が必要な指標です。1ページで用事が済む記事や、電話番号を確認して離脱したケースは、直帰でも目的は達成されています。数字の高低だけで判断せず、そのページの役割とあわせて読むことが求められます。
- 直帰率(1ページだけ見て離脱したセッションの割合)
- ページ/セッション(1回のセッションで閲覧されたページ数の平均)
- 平均滞在時間(ページに滞在した時間の平均)
- スクロール深度(ページのどの部分まで読まれたかの割合)
コンバージョン指標
ビジネス目標の達成度を測る指標です。
- コンバージョン数
- 設定した目標(問い合わせ、購入、登録など)が達成された回数
- コンバージョン率
- セッション数に対するコンバージョン数の割合。効率性を測る指標
- コンバージョン単価
- 1件のコンバージョンを獲得するためにかかったコスト
- ROI(投資収益率)
- 投資したコストに対する収益の割合
これらの指標から、サイトがビジネス成果にどれだけ貢献しているかを判断できます。
流入経路別の分析
オーガニック検索、有料検索、ソーシャルメディア、直接アクセス、リファラーの各経路の特性を把握し、経路ごとに改善施策を打つと、全体のパフォーマンス向上につながります。
課題発見から改善施策立案まで
数値を眺めるだけでなく、データの背景にあるユーザーの行動や心理を理解し、それに基づいた改善策を実行することが求められます。
データ分析の基本プロセス
仮説を立ててからデータを見ると、課題の発見がしやすくなります。仮説の設定、必要なデータの収集、多角的な分析、課題の特定、改善施策の立案という流れを繰り返すと、サイトの継続的な改善が進みます。
よくある課題パターンとその原因
次のような課題パターンと原因を押さえておくと、改善の方向性を決めやすくなります。
- 直帰率が高い
- ランディングページの内容がユーザーの期待と合わない、ページの読み込みが遅い、ナビゲーションが分かりにくいなどの原因が考えられる
- コンバージョン率が低い
- コンバージョンフォームが複雑すぎる、信頼性を示す要素が不足している、心理的ハードルが高いなどの原因が考えられる
- モバイルでのパフォーマンスが悪い
- モバイル対応が不十分、タッチ操作に適していない、画面サイズに応じた表示ができていないなどの原因が考えられる
- 検索流入が少ない
- SEO対策が不十分、コンテンツの質が低い、内部リンク構造が適切でないなどの原因が考えられる
課題を特定したら、原因ごとに具体的な改善施策を立案します。たとえば検索流入が少ないなら既存記事のリライト、直帰率が高いならファーストビューの見直しというように、課題と打ち手を紐づけて考えると、施策が場当たり的にならずに済みます。
改善施策の立案方法
影響度と実行難易度で優先順位をつけ、人件費・時間・技術的難易度などのコスト、期待効果、実装期間、測定方法を事前に決めておくと、実行しやすくなります。効果が大きく、かつ簡単に着手できる施策から手をつけるのが鉄則です。大きな効果を狙って難易度の高い施策ばかりに挑むと、成果が出る前に息切れしてしまいます。まず小さな成功を積んで、改善が回る手応えをチームで共有することが、継続の力になります。
A/Bテストによる効果検証
改善施策の効果を確かめるには、A/Bテストが有効です。現在のバージョン(A)と改善版(B)を比較し、統計的に有意な差があるかを検証します。テスト期間は2週間以上を目安にし、対象ユーザーと測定指標を事前に決めておきます。効果が確認された施策は本格導入し、効果が薄いものは見直します。
PDCAを回し続ける体制づくり
Webサイトの改善は一度きりではなく、継続的なプロセスです。PDCAを組織で回す体制をつくると、サイトのパフォーマンスを継続的に上げられます。
PDCAサイクルの基本構造
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4段階を繰り返すことで、継続的な改善が実現します。
- Plan(計画)
- 現状の課題を分析し、改善目標を設定する。具体的な施策を立案し、実行計画を作成する
- Do(実行)
- 立案した施策を実行する。A/Bテストや段階的なリリースなど、リスクを抑えながら実施する
- Check(評価)
- 実行した施策の効果を測定し、目標との差を分析する。データに基づいて客観的に評価する
- Act(改善)
- 評価結果を基に、成功した施策は標準化し、失敗した施策は原因を分析して次に活かす
このサイクルを定期的に回すことで、サイトの継続的な改善が進みます。
組織体制の構築
プロジェクトマネージャー、データアナリスト、デザイナー、エンジニア、マーケターなど、役割を明確にし、定期的な会議や情報共有の仕組みをつくると、改善活動が進みやすくなります。とはいえ、中小企業でこれだけの専任体制を組むのは現実的ではありません。実際には、一人の担当者が兼任し、専門的な分析や実装は制作会社に任せるという分担がよく機能します。大事なのは人数ではなく、「数字を見て手を打つ」という流れが途切れないことです。
定期レビューの実施
週次で短期的な指標の変化を確認し、月次でパフォーマンスを総合評価し、四半期で戦略の方向性を見直し、年次で翌年度の戦略を策定するといった頻度でレビューすると、データに基づいた意思決定がしやすくなります。
改善活動の標準化
成功した施策の手順やポイントを文書化し、分析レポートや改善提案書のテンプレートをつくり、チームに改善手法を共有すると、組織全体の改善能力が上がります。
まとめ
公開後は、GA4などのツールを正しく設定し、トラフィック・エンゲージメント・コンバージョンの指標を定期的に確認しましょう。データから課題を特定し、改善施策を実行したら、A/Bテストで効果を検証し、結果を次の計画に反映させます。PDCAを回し続ける体制をつくると、サイトをマーケティングツールとして使いこなせるようになります。
完璧な分析を目指す必要はありません。まずは月に一度、GA4を開いて「先月と比べて問い合わせは増えたか、どのページがよく見られているか」を確認するだけでも、立派なPDCAの第一歩です。数字を見る習慣が、サイトを放置される負債から成長する資産へと変えていきます。
アクセス解析と改善サイクルのご相談
Webサイト公開後のアクセス解析の設定、見るべき指標の整理、PDCAの回し方でお困りの方は、合同会社ギャラクタスまでご相談ください。GA4の設定支援、分析観点の整理、改善施策の立案まで、公開後の運用に合わせたアドバイスを行います。「解析ツールは入れたが数字の読み方が分からない」という段階からのご相談も歓迎です。
Web制作会社ギャラクタスでは
ホームページ作成・運用を承っています
ホームページの新規立ち上げや既存サイトのリニューアルを始めとしたWeb制作全般に関して、
企画・構成からデザイン・コーディングまで一貫して行っています。
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